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* プレイ深度



メインストーリークリア
黒50+レリック+1+DL3
学者39+イフリート武器+DL1
他15~25
ギャザラー 15〜25
クラフト 15〜30

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* 概要

 2010年9月30日にサービスが開始された旧FF14は、おおよそ以下のようなゲームであった。

「馬鳥」に代表される、奇妙な漢字で構成されるが、日本語でも中国語でもない、意味不明な固有名詞群
全てのウインドウがモーダルなうえ、ウインドウ1つ開くたびに4~5秒停止する劣悪なUI
アイテムリストなどでカーソルを1つ上下に動かすだけで1秒前後遅延する劣悪なUI
かなり作為的なプレイをしないと稼げない修練値システム
そこら中コピペのフィールドマップ
僅かな段差や小さい石にまでいちいち引っかかって、まっすぐ歩けないフィールドマップ
3都市を相当な回数行ったり来たりする必要に迫られるが、テレポ制限が厳しく、ほとんど常に歩くしかないフィールドマップ
弱いかと思えば突然超ダメージのAoEを放ってパーティ全員を即死させるMob
戦闘中に突然逃げ出しHPが全開するMob
大量の武器と防具を常時所持する事が前提だが、インベントリの容量を見るにその事が全く考慮されていないアーマリーシステム
全クラスで1つのスキルバーを共有するため、クラス変更のたびにいちいちスキルバーの再設定が必要なアーマリーシステム
クラスを変更するたびに適合しない装備がいちいち吹っ飛んで再装備が必要になるアーマリーシステム
全クラスの全スキルを好きに装備できるので、どのクラスを選んでも最終的に似たような万能キャラができ上がるアーマリーシステム
偏執的なまでに細分化され、インベントリと作業コストを圧迫する生産素材
フェイント
フェイント
フェイント
機能しているのかバグっているのか、それすら分からないバトルレジメン

 FFシリーズのナンバリングタイトルとして、そしてMMORPGであったFF11の続編として、大きな期待を集め、鳴り物入りで登場したFF14は、会社が傾くレベルのクソゲーであった。当初は爆発的だったユニークログインも急速に減少し、ネットには作品を馬鹿にする揶揄が飛び交い、さらには運営自身が「あれは失敗だった」と認めてしまった。誰もが、FF14は稀代の失敗作として、このまま消え去るだろうと考えた。

 しかし、ここで異常な事態が起こった。「FF14はスタッフを刷新して作り直される」というのである。この「作り直される」という言葉の意味が、これほどの規模のものを、文字通り「一から作り直す」という意味だという事を、この時点で正確に理解していた人間が、果たしてどの程度いただろうか。誰もそんな事は信じなかった。FF14はこのままゴミとして捨てられ、作るならFF15であろう、と考えていた。「失敗に終わった作品を作り直す」などという道楽は、世界レベルで見ても前例がなかったからである。

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* 新生



 しかし、FF14は本当に作り直された。引き継がれたのは世界設定やキャラ設定、そして基本的なルールだけで、エンジンからフルスクラッチされ、UIとルールは徹底的にブラッシュアップされた。操作しているだけで苛立ってくる不愉快なUIは、2013年に通用する物に変わった。投げっぱなしだったアーマリーシステムも、クラスごとの固有スキルバー、アーマリーチェスト、ギアセットの概念により、問題は残ってはいるものの、それなりに現実的な運用が可能になった。マップにはかつての地名だけが残り、形状は全く別の物になった。執拗なまでに回避されていた既存FFシリーズの固有名詞も多数復活した。メインストーリー中には「光の戦士たち」「のばら」「パラメキア」「魔導アーマー」「ビッグス&ウェッジ」など、かなり露骨なアピールも存在している(注:あくまで固有名詞のみで、世界観は共有していない)。

 運営は、このシリーズが旧FF14で背負った重い十字架から、新生FF14はスムーズなスタートは切れないだろう、と予測していた。予算もそれに応じた額しか出ていなかったし、サーバの規模もそれに応じた物でしかなかった。それは確かに現実的な判断だったが、しかし蓋を開けてみれば、新生FF14には誰もが予想しなかった数の、あり得ない数のユーザが殺到した。運営はサービス初日からログイン制限と解除の繰り返しに追われた。ユニークログイン数はピークで32.5万を記録した(FF11が最も多い時期で20万)。この現実を鑑み、新生FF14の事業規模は予定より大きいスケールに変更されるようだ。嬉しい悲鳴とはこういう事を言うのだろう。

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* 基幹部分



 UIとしては、マウスルック+スキルバー、ターゲットカーソルベースの、オーソドックスなMMORPGである。ただし移動系はいわゆるWASDであり、「地面をクリックするとそこまで歩く」というインターフェイスではない。PS3の場合はここがアナログスティックになるので、マウスに依存するよりはWASDの方が近いという事だろう。また、ジャンプアクションがあり、少々の地形は飛び越えて自由に動ける。概ね一般的なアクションゲームの基本部分ぐらいの自由度はあると考えてよい。特にエンドコンテンツでは、キャラ性能以前の問題として、自分の手で敵のAoEを避ける事が重要になっているので、実際にやっている事もアクションゲームに近い部分がある。

 EQクローンだったFF11は、とにかく時間のかかるパーティメイク、その後も延々と続く長時間の拘束、重いデスペナルティ、常に1対6を基準とした戦闘バランス、無尽蔵の待機時間を要求する無職向けエンドコンテンツなど、とにかくあらゆる部分が重苦しく長ったらしい要素で固められていたが、新生FF14にはこういった特色は一つも引き継がれていない。パーティは手動で組む事もできるが、基本的にはインスタンスダンジョン(以下ID)単位で参加希望を出した者の中からオートマッチングで作られ、作られるまでは各自何をしていてもよく、連続的な時間拘束も、長くてせいぜい1時間程度で済む。戦闘バランスは多対多で普通に戦える程度に調整されており、FF11のように「1add即全滅」という事は起きない。

 開発者の話では、新生FF14はWoWとGuild Wars2をモデルとしている、との事である。残念ながらWoWはプレイした事がないため、正確な比較はできないが、とりあえずFF11/EQと対極的なデザインが行われているのは間違いない。

 MMORPGとしての最大の特色は、「フィールド狩りやダンジョンでのcampが全く必要ない」という点だろう。序盤はクエストが連続し、その報酬だけでどんどんレベルが上がっていくため、そこらのMobを無目的に虐殺しようと考える瞬間がない(別にやってもいいが、メリットは特にない)。続いて登場する討伐手帳についても、要するに「特定のMobをn匹殺せば特別報酬」というミニクエストなので、特定のMobを、目的を持って、決まった数だけ殺す事になる。より大きいのはマップの各所でランダムに発生するFateで、ほんの数分参加するだけで、Mobを1匹ずつ殺すのとは格の違う多額の報酬が貰えるので、無目的にMobを狩るよりFateをひたすら追いかけている方が遥かに効率が良い、と誰もが瞬時に理解する。そしてこのままlv50になるので、ついに最後まで、無目的なMob狩りをしようと思う事が一度もない。campのためにパーティを作る必要も、フレンドを作る必要も、ギルドに入る必要もなく、長い長いcampの繰り返しの中でのウェットな人間関係が構築される事もなく、全ての事を1人で、やりたい時にいつでも実行し、止めたい時にいつでも止める事ができる。

 この点は賛否両論ある。否定として代表的な物に「まるでMORPGのようだ」「人間関係が構築されない」という声があり、それは全くその通りである。しかしFF11のような、全てが重く、そして水浸しと言っても良いぐらいにウェットで伝統的なMMORPGを、意図的に回避してドライな構造にしたのが新生FF14であるので、これはある種当然の結果と言える。蕎麦屋に行ってピザを注文しても、無いものは無い。客にできるのは店を出る事だけである。

 結果的に、プレイヤ同士がリソースを取り合う場面がほとんど排除されているのも、一つの特徴だろう。PvE MMORPGと言えば、何はなくともまずMobの取り合いとMPKであるが、上記の通りの仕様なので、どちらの問題も起きない。ギャザラーも自分にしか見えない採集ポイントを自分が取るだけなので、やはり取り合いにはならない。周囲に常に他人はいるが、互いに何も干渉しない(できない)、そういうルールである。

イフリート先生近影

 あらゆるコンテンツに「適正レベル」という概念があり、制限されている最大レベルを上回ったプレイヤがそれに参加しようとすると、適正レベルまで強制的にレベルダウンさせられる。これは「レベルシンク」と呼称されている。この仕組みにより、このゲームには2つのメリットが生まれている。1つは、知り合いとレベル差が付いても全く問題がない、という点である。多くの量産型MMORPGは、レベル差が付くとパーティを組めなくなり、たとえ時間が確保できても、一緒にプレイする事が不可能になる。これはかなり古典的な問題だが、量産型MMORPGにはこの問題を解決しようという努力がなかった。しかし新生FF14は、どちらかのレベルが高すぎてもレベルシンクがかかるため、この問題は全く起きなくなっている。もう1つのメリットは、コンテンツの難度がキャラ性能によらず一定になる、という点である。「俺Tueeできない」と言ってもいい。プレイするキャラクタの性能を一定の範囲内と想定する事で、開発側は難度調整が非常にやりやすくなり、プレイする側としては、「知り合いと一緒に行ったら簡単すぎた」「レベルを上げすぎて歯応えがなかった」などの経験をする事がなくなっている。

 ゲームとして難しい部分はIDに集中しており、それ以外のクエストやFateは、死ぬ事もなければ、失敗する事もない。IDだけが、初見殺しのギミックや、回避可能な(そして回避しないと即死する)AoEの存在により、死ぬ危険性や、失敗する危険性をはらんでいる。「レベル上げは単なる作業で、lv50になってからが本番」とうそぶくMMORPGは多いが、新生FF14に関しては、本当にそういう構造になっている。このゲームにおいては、新要素=新しいギミックのID(PvE)あるいはPvP、という事である。これもなかなか特殊なところだろう。伝統的なMMORPGは、レベルを上げる作業そのものをメインコンテンツと見なし、この部分を可能な限り遅延させようとするからである。1ヶ月経たずにあっという間にlv50になってしまった事について、困惑するユーザも多く見られる。

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* シングルプレイ

ガルーダ様

 まず、キャンペーンクエストで構成されたメインストーリーが存在する。lv1から始まり、lv50で終わるので、これを追いかけているだけで、lv50までずっと目的意識を維持する事はできる。全てのクエストは1人でクリアでき、いくつか存在するIDもCFでオートマッチされるので、これといって停滞する部分はない。FF11のメインストーリーは、数レベル刻みで次が開放されるという仕組みで、かつ、クエストは1人ではクリアできないように設定されていたため、次をやる頃には前回どういう話で終わっていたかを完全に忘れている、というような事も度々起きていたが、新生FF14はそんな事もない。

 ただ、確かにMMORPGにしては相当よく出来た内容だとは思うが、このシナリオが面白いかというと、個人的には、そんなことはなかった。特に後半、暁が本部襲撃を受けてからの展開が非常に冴えない。光のクリスタル=ハイデリンが絶対正義として描かれており、プレイヤに選択の余地がないのも惜しまれるところである。劇中では蛮神や帝国が単なる敵として描かれているが、設定をみるに、三国も結局は邪魔者を暴力で排除しただけに過ぎず、三国が正しくてそれ以外が間違っている、とは言えない。せっかくの3すくみなので、どこの陣営に組みするかで展開が分岐していたら、設定を活かせただろう。

 レベル上げを始めとしたコンテンツ消化に、直接他人の助力を必要としないので、少しの時間で何でも始められ、いつでも止める事ができる。CF/IDに関しても、廃人集団に混じった方が色々と効率はいいだろうが、野良でもそこまで極端に効率が落ちるわけではない。結局のところ、1人でCFに登録して、オートマッチですぐマルチプレイを始められるので、ギルドに属さないソロプレイヤでさえ、シングルとマルチの境界は、それほどはっきりしない。よし今からパーティ組むぞ、と気負うような瞬間がない。この構造が、「余暇時間の取り合い」である現代にマッチしているという事だろう。

 もう一つのソロ要素は、採集と生産だが、こちらはバトルクラスとはうって変わって、非常に鈍重な内容になっている。特に採集のダルさは半端なものではなく、ここだけ量産型MMORPGの時代に戻ったかのような内容になっている。詳細は後述。

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* マルチプレイ(PvE)

心核

 このゲームでは、マルチプレイ=IDと言える。Fateパーティは単なる人数合わせに過ぎず、作戦も協力も会話もない。ID以外でまともなパーティを組む場面は、このゲームでは全く見られない。

 全てのクラスが、Tank、DPS、Healer、という3つのいずれかのロールに属している。オートマッチングはロールをベースにして行われており、4人パーティなら、必ずTank1 DPS2 Healer1という構成になる。例外はない。攻撃する奴ばかりでHealerが1人もいないとか、全員がHealerで死なないけど全然殺せないとか、そういう事は起きない。「殴る白魔道士」のようなものをこのゲームは許容しない。白は必ずHealerとして入ってくるので、絶対にHealerとして働かねばならない。TankもDPSも同様である。

 このことを、自由度がないと取るか、見知らぬ他人と組むリスクを最大限軽減した結果と見るかは、人によると思われるが、少なくとも非常に物事が分かりやすくなっている。Tankで入って来たナイトが、Hateトップにならずに適当に敵を攻撃していたとしたら、明確に「そいつが悪い」と言える。ロールは絶対的なものであり、個人の趣味とか、プレイスタイルとか、そういう物は関係ない。ナイトは自らTankと申請して入って来ているのだから、Tankとしての役割を果たさないなら、それは他のパーティメンバーに対する裏切りであり、解釈の余地のない悪なのである。そういう分かりやすさがある。

 ルールとしては、EQ以来のHateベースルールで、硬いTankがMobの攻撃を受け止め、DPSがそこを背中から刺し、HealerはTankを回復する、基本的にそういう形になる。Tankは攻撃力が低いが、威力がないわりにヘイトだけは高いスキルが数多くあり、Mobの攻撃を集める事に向いている。DPSは逆。AoE MezがあるとTankが下手でも気付かれにくくなり、Healerはかなりヒマになる。

 人口比としては、圧倒的にDPSが多く、HealerとTankが少ない。そしてこの2つの中でもTankが特に少ない、という状況にある。DPSでCFに登録すると30分待ちはザラで、下手をすると1時間を越えることもあるが、Tankは登録した瞬間マッチが成立して開始になる。Tankに人気がないのは、装備品に妥協が許されない、常にダンジョンで先頭を歩かねばならない、といった責任の重さから来るものと考えられる。

 吉田プロデューサーは「寝かさないでAoEで壊滅させた方が早い」と言っていたが、それにしてはAoE DDが全体的に弱い。

 ザコ戦はほとんど消化試合で、ID自体が覚えゲーである関係上、予定外の事が全く起きないため、頭を使う場面もほとんどない。

 問題があるとすれば基本的にボスになる。ボスは固有のギミックを持っており、序盤はともかく中盤以降は、それを理解していないと、キャラ性能に関わらずあっさり全滅する。TankとHealerはボス固定業務があってほとんど動けないので、ギミックの処理は、基本的に抜けても支障がないDPSがやる事になる。多くのMMORPGで、DPSはMobを背中から殴るだけの簡単なお仕事であるが、このゲームではボスのギミックを解除するという重要な役割が課されている。DPSがギミックを理解していないパーティは本当に地獄で、TankとHealerがどれだけ頑張っても何度でも全滅する。

 アムダプールや真タイタンなどのエンドコンテンツでは、上記に加えて、何らかの形でエリア全体攻撃が連続して繰り出される事が多く、全員がそれを正確に避けなければ、死人が出てそれで終わりになる。つまり覚えゲーの要素に加えて、最低限の判断力と反射神経がないとダメという事であり、アクションゲームが苦手な人は本当にクリアできないような作りになっている。道中が時間の無駄と思えるぐらいぬるま湯なのに対し、ボスだけは非常に厳しい。1人でも使えないプレイヤが混じっていると、本当にクリアできない。ネットでは周回者の暴言のスクリーンショットが晒されたりしているが、この内容ではギスギスするのもやむを得ないところである。

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* マルチプレイ(PvP)

 現時点では実装されていないものの、吉田プロデューサーは「必ず実装する」といったような事を何度か発言しており、「ウルヴズジェイル」という名前で実装される事は既に発表されている。そのためのタブもCFに既に存在する。オートマッチによる4:4/8:8/4:4:4/8:8:8ランダムないしチームアリーナとして実装されると考えられる。

 PvP専用スキル(例としてCCを抜けるスキル、DAoCで言うところのPurgeが挙げられていた)でバランス調整を行うとか、lv30・40・50の3グレードに分けるとか、色々と断片的な情報は出ているが、こちらについては、実際に動作してから改めて別稿で記述する。

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* 問題点

タタルさん近影

 全体として、水準を遥かに越えた作品であり、致命的な問題は少ないが、それでも色々と問題はある。

* 1. Fate/低レベルID問題

 結論から先に言うと、lv49以下のIDの存在意義が薄く、Fateの存在意義があまりにも高い。クォーリーミル、クルザス、モードゥナといった人気Fateマップは、コアタイムは速攻で駆けつけないと、ものの数秒で敵が全滅するほどの混み具合である。

 Fateと低レベルIDを比較すると、大雑把に言って、以下のような考察が得られる。

Fate周回の方がexp時給が良い。
IDはマッチングしないと始める事もできない。Fateは始めようと思った瞬間にいつでも始められる。
IDはいったん始まると1時間程度拘束される。Fateはいつ始めてもよく、いつ止めても良い。
IDはマッチしたパーティメンバーが糞だとクリアできない可能性があり、その場合90分も120分も使った挙句、ただでさえ低いexp時給がさらに下がり、得られるレアアイテムも減る。Fateは難しい部分が何もないので、そういう事故は起きない。
IDは装備品が糞だと相応に辛い(特にTank)。Fateは装備品が糞でも問題ない。
IDはギミックを覚えて解除・回避しないと全滅する。Fateにはギミックがない。ただ出てきた敵を攻撃するだけで良い。
IDはまともな戦闘が繰り返されるので装備品の耐久がかなり減る(修理費がかさむ)。Fateはほとんど減らない。
Fateはクリアすると軍票が貰える。IDは貰えない。
IDはレア装備品(1つ上のレベル帯と同性能の装備)が手に入る可能性がある。しかし、欲しい物が出るかは分からず、出てもロットで負けると他人に取られる。狙った物を取るには相当な回数の周回が必要。加えてレベルがすぐ上がるため、せっかく取ったレアアイテムもあっという間に陳腐化する。
高レベルIDではアラガントゥームストーン哲学・神話(強い装備品と交換できるトークン)が手に入る。低レベルIDとFateでは手に入らない。

 このような状態のため、結局は「哲学・神話を稼ぐ以外の目的ではIDに行く理由がない」という結論に達する。誰もがそう考えるので、lv50までFate作業で上げ切り、それからやっとIDに行くようになる。よって極端に言うと、lv49以下のIDは、今のところほとんど存在意義がない。

 これはどちらかと言えば、Fateが美味すぎるというより、低レベルIDが不味すぎると言った方がいい。低レベルIDは(少なくともFateよりは)遥かに難度が高く、味方が下手すぎてクリアできないかもしれないというリスクを常に抱え、時間的拘束も厳しいのに、貰えるものがあまりにもショボい。この設計では「lv50になるまではFateしかやらない」という選択が最適になっても仕方がない。

 また「Fateだけ美味い」という事実が、もう一つ大きな問題を引き起こしている。それは「Fateだけでexp Farmした結果、ド下手なままlv50になってしまう」という問題である。lv50までほとんどFateしかやらず、lv50になった途端いきなりアムダプールや真タイタンをクリアしろと言われても、できるわけがない。装備品以前の問題である。かくして足を引っ張るいわゆる「地雷」プレイヤが増加し、高レベルIDにおける対立はさらに先鋭化していく。愚かな設計である。

* 2. 哲学Farm問題

(※2013/10/15のパッチにより解決)

 メインストーリーで必ず行く事になるカストルム・メリディアヌムが、同時に哲学Farmに非常に適したIDになってしまっている。これにより、ストーリーを楽しみたい初回プレイ者と、哲学を稼ぎたいだけの周回者が、CFで混ざってしまうという現象が起きている。本来であれば、周回者の方が肩身の狭い立場のはずだが、人数比的に周回者の方が圧倒的に多いのため、初回プレイ者に対して「デモは全部飛ばせ、待たせるな」と言い放つ周回者も現れ、これにより、しばしば対立が起きている。

 ついでに言うと、カストルム・メリディアヌムが混むようになったのは、それ以前に最もFarmに適していたアムダプールのダッシュ戦術(通称アムダッシュ)を、想定外の攻略法として潰したせいである。いっそ潰さない方がまだ良かったかもしれない。

 メインストーリーに絡むIDにFarmの価値を持たせてしまったことが、大きな失敗である。この問題のせいで、初回プレイだったにも関わらず、まともにデモを見れず、ストーリーを理解できなかったプレイヤがかなりの数存在する。愚かな設計である。

バリア猫

* 3. エンドコンテンツの導線の問題

 クエストのレベル制限により、必ずlv50になっていないとメインクエストをクリアする事はできない。よってここまでは足並みが揃うが、その後に問題がある。メインクエストの流れでは、エンディングの直後に真イフリート討伐を依頼され、それをクリアすると続いて真ガルーダ討伐を依頼される。しかし、真ガルーダは「真イフリートをクリアしたから」という理由で行っていい難度になっていない(武器の性能不足)。真イフリート討伐自体、実は真イフリートを倒せばそれで終わりという物ではなく、「イフリート武器が取れるまで延々と周回しなくてはならない」というIDなのだが、ゲーム中のNPCは誰もそう言わないので、知ろうとしなければ、そうだとは分からない。結果、ただメインストーリーをクリアしたというだけの状態で真ガルーダに来てしまう人々が後を絶たず、ニュースなどでご存知の方も多いと思うが、周回者との間で激しい対立が起きている。この問題は次の真タイタンでさらに深刻になる(真タイタンは真ガルーダより遥かに難しいため)。

 突き詰めて言えば、全ての攻撃を完璧に避けられるなら、Tank以外はいい加減な防具でも勝つ事はできる。ただ現実問題として、装備の悪いプレイヤは相応に腕も悪いので、二重の意味で足を引っ張る事になる。

 アムダプールでも同様の事が起きている。蛮神討伐と違い、こちらはメインクエスト扱いではないが、クリアした途端にそこら中のNPCから、アムダプールに行けアムダプールに行けとやたらに言われる。にも関わらず、アムダプールもまた、メインストーリーをクリアしただけの状態でクリアできる難度になっていない(特にデモンズウォール)。そのため、CF内で初見やそれに準じるプレイヤと周回者が激しく対立している。

 これも結局は人ではなく、システムの方に問題がある。まず何よりも導線がおかしく、クリア直後にクエストを受けられるアムダプールに対して「ゴミ装備で来るな」と言っても、そんなものは行くに決まっている。CFもレベルだけを考慮してアイテムレベルを全く考慮せずマッチングを行っているため、lv50以降のマッチングが(いわゆる「地雷」が混ざるか否かという)多分にバクチ要素を含んだ物になってしまっている。

* 4. 採掘・伐採部分だけ異様に古い

(※2013/10/15のパッチにより、ある程度解決)

 マップ上に点在する採集場所をクリックして採集開始、終わったら次のポイントへ移動、を繰り返すだけであり、しかもバトルクラスにおけるFateのようなブーストがないので全くレベルが上がらず、何十時間も延々と同じ場所での単純作業を強いられる。まるでここだけ量産型MMORPGの時代に戻ったかのような内容である。

 このゲームでbotが横行しているのも正にこの部分なのだが、やらされている作業がどう考えても人がやるべき内容ではないので、ある意味仕方ない。「botがやれば一瞬で終わることを、手動で何時間もかけてやらされている」という印象を受けてしまう。運営からは「アイテムが採れすぎている」というような発言も見受けられるが、それはそれぐらい採らないとレベルが上がらないからそうなっているだけで、別に誰も採りたくて採っているわけではない。

* 5. アイテムソートがない

 なぜないのだろうか?旧FF14から改善されていない唯一の欠点がこれだと言えるかもしれない。特にクラスを変えるたびに適当に装備が投げ捨てられて行くアーマリーチェストの糞箱ぶりが深刻で、著しく使いにくくなっている。

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* 総括

みんなのアイドル アナンタボガ先生

 DiabloとUOから始まり、そびえ立つ糞のような量産型MMORPGの死体の山を越え、悪夢のような旧FF14が第七霊災とともに過ぎ去ったあと、ついに新生したFF14は、最大最後のMMORPGに相応しい内容とポテンシャルを秘めている。問題点はいくつかあるが、徐々に改善されていくだろう。最後の恐竜が、f2p全盛のこの時代をどう生き抜くのか、今後を見守って行きたい。


// Time Stamp
  2013-10-20 21:12:03 (Last Modify)
  2013-10-15 21:05:16 (First Edition)

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